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こんにちは、鉾立です。

前回の記事では、ビジネスの次の一手となる戦略を検討する際に役立つフレームワーク、アンゾフの成長マトリックスの③市場・顧客開拓戦略についてお伝えしました。

新規市場の開拓にチャレンジする際に役立つ着眼点とは?【アンゾフの成長マトリックス】③

今回の記事では、最後に、このマトリックスの④多角化戦略についてお伝えしようと思います。

 

アンゾフの成長マトリックス ④多角化戦略とは?

 

 

これまでの記事で繰り返しお伝えしてきたように、このマトリックスで表現されている4つの戦略は、一般的には、図の①から④の順で難易度が高くなると言われています。

そして、もっとも簡単で、最初に取り組むべき戦略は、既存の市場・顧客に対して、既存の商品・サービスを提供する①市場・顧客浸透戦略(図の左下)となります。(なぜなら、一度買ってくれているお客さんに、知っている人・会社から商品・サービスをまた買ってもらうのが、一番ハードルが低いから)

次に検討すべきなのが、既存の市場・顧客に対して、新しい商品・サービスを投入することで成長を図る、②新商品・サービス開発戦略(図の右下)。(新規のお客さんを一から獲得するより、すでに関係性ができているお客さんに対して新しい提案をする方が、一般的にコストも難易度も低いから)

次いで検討すべきなのが、新しい市場・顧客に対して、現状の商品・サービスの販売網を広げることで成長を図る、③市場・顧客開拓戦略(図の左上)というところまでお伝えしました。

ところが、

・そもそも自社がいる業界自体が衰退・縮小傾向にある
・どうしてもチャレンジしてみたいビジネスがある

といった事情がある場合、④多角化戦略(図の右上)を検討すべきタイミングなのかもしれません。

この戦略は、商品・サービス、市場・顧客ともに、現在の事業とは関連しない、新しい分野へと進出して成長を図る戦略です。

イチから新しい市場・顧客に対して、新しい商品・サービスを投入するわけですから、このマトリックスで一番リスクが高くて時間がかかる、難易度が高い戦略と言えるでしょう。

 

多角化戦略を成功に導く秘訣とは?

では、そのような多角戦略を成功に導く秘訣はあるのでしょうか?

経営コンサルタントの第一人者として、5000社を超える企業を指導し、多くの倒産寸前の企業を立て直したとされる一倉定(いちくら さだむ)氏は、書籍「一倉定の経営心得」の中で、多角化について次のような言葉を残されています。

 

『一倉定の経営心得』/一倉 定 (著)

 

 

どんな業界にも、斜陽化の危険は必ずある。

永久に成長し続ける業界はないのだ。もしも業界それ自体が斜陽化してしまえば、いくらその中で頑張ってもダメである。業界としての時期的な消長があり、業界固有の季節変動もある。

一つの業界に棲みついていたら、それらの影響を100%受けてします。まともにこの打撃をうけたら、つぶれないまでも、大幅な業績低下や季節変動による定期的な業績低下を来すのである。この危険をさけるためには、二つ以上の業界にまたがることである。…

「多角化」とは、棲みつく業界を多角化していくことである。「内部、つまり技術は専門化し、外部、つまり市場を多角化する」ということは、どのような会社にとっても、優れた企業構造の一つの型である。

一倉定の社長学 第1巻 「経営戦略」より

 

近年は、AIをはじめとするテクノロジーの進化、少子高齢化や在留外国人の増加による人口構造の変化、市場のグローバル化、インバウンド需要の高まりなど、かなりのスピードで世の中が動いています。

当然、自社が棲みついている業界が縮小する、あるいは業界自体が存亡の危機に立つ、という可能性もあるでしょう。

そんな事業環境の中で、従来の業界の常識や慣習にしがみついたままでいたら、一気に時代から取り残されてしまうかもしれません。

そこで重要になるのが、「二つ以上の業界にまたがる」多角化戦略ということになるのでしょう。

そして多角化戦略を成功に導く秘訣とは、「内部、つまり技術は専門化し、外部、つまり市場を多角化する」ことであると氏は言います。

私なりに解釈すると、この「内部」「技術」とは、自分や、自社の核となる部分、すなわち、理念、ミッション、情熱、想いや、コアコンピタンス「競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力」「競合他社に真似できない核となる能力」)のことなのだと思います。

 

多角化戦略の一つの例

ちなみに、私の場合ですが、、

現在、財産コンサルティングサービスの主要業務の一つとなっている親族間の不動産売買サポート

このサービスを始めたきっかけは、そもそも前職の企業再生コンサルティング会社で担当した、金融機関から依頼された兄妹間の区分所有マンションの売買案件でした。

2009年に独立後も金融機関紹介の親族間の不動産売買案件が数件続き、いずれの案件も共通して、法律や税金、資金調達など、クリアしないといけない難しいポイントがいくつかあるなど、専門技術が必要となる案件でした。

「こんなとき、いったい誰に相談すればいいのか分かりませんでした」というクライアントの声と、「間に入ってもらって助かりました」という金融機関職員様の声を毎回いただいていたことから、2013年頃、これはホームページで情報を発信してみては、と着想。

当時は親族間の不動産売買に関する情報があまりなく、常に検索結果の一番上に出てくる状況でした(今もそうですが)。

情報ページを見たお客さんが、個別に疑問点などがあれば『無料個別相談』を利用する、という流れを作って、年間100件近くの相談を受けながらノウハウを蓄積。他社が真似しにくい独自の事業に育ちました。

現在は、複数の事業者がその分野の情報を発信するようになっていますので、ある意味、親族間不動産売買の「業界」を創ったと言えるかもしれません。

独立当初は金融機関紹介の相続・遺言案件と他士業紹介の許認可案件など、いわゆるオーソドックスな行政書士業務がメインでしたから、親族間の不動産売買サポート事業は、財産コンサルティング業と不動産仲介業という二つの業界にまたがり、商品・サービス、市場・顧客ともに、従来の事業とは関連しない、新しい分野へと進出した多角化戦略と言えるでしょう。

 

あなたは、多角化についてどう考える?

 

追伸1

自社の成長戦略について検討したいと考えている方はこちら

http://hokodate-eiichilaw.com/business/adviser/

 

追伸2

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起業・経営アドバイザー/財産コンサルタント 「経営の原理原則」をテーマに研究を重ね、これまで数多くのクライアント支援から得た学びと、自らの事業活動による実証を加えたノウハウ・ドゥハウを体系化。 企業経営者の転ばぬ先の杖となり、「経営の原理原則を実践する経営者を増やしてハッピーな世の中を創る」ことを使命とする。 また、「借り入れ時に個人保証を求められる中小企業経営者にとっては会社の財産も個人の財産も一体」との現実に向き合いながら、再起にかけるクライアントの財産コンサルティングに取り組む。 「経営アドバイザーと財産コンサルティングは両輪である」との信念のもと、クライアントの身近な参謀役(アドバイザー)として日々活動している。