ビジネスにおいて「1つ」は避けるべき数字である理由


こんにちは、鉾立です。

前回の記事では、1つの業種・業界の常識にとらわれずに、「お客さんの真の欲求」ベースでビジネスを行うことの重要性についてお伝えしました。

業種・業界の常識にとらわれるな!

今回は、なぜ、私がこのような思考を持ってビジネスを行っているのか、そして、「「1つ」にこだわることのリスク」についてお話をしようと思います。

そのためにはまず、私の会社員時代から独立当初までの大変だった頃の話をする必要があるでしょう。

 

独立当初、当てにしていた取引先が全滅、、

独立前の会社員時代、私は、コンサルティング会社で、提携先の金融機関のお客様の財産問題・経営問題の解決をサポートする仕事を行っていました。

数十店舗あるその金融機関からは、日々、様々なお客様の相談案件が舞い込み、その1件1件について、各種専門家をコーディネートしながら問題解決をサポートする仕事でした。

そんな環境に身を置いて、相続、事業承継、不動産、M&Aなど、今の仕事に通じる経験を無我夢中で積んでいたのですが、、

あろうことか、勤めていたコンサルティング会社が法的整理を行うことになり、その金融機関との提携関係も解消するという事態に。

そのタイミングで私も独立することになったのですが、当初は、その金融機関とのパイプがあるから仕事の面は大丈夫、との甘い考えがありました。

ところが、懇意にしていたその金融機関のある支店長から、「鉾立さん、独立して仕事を取るのが大変だと思うけど、1年間は(数十店舗ある)店を回っちゃダメだよ。前の(法的整理を行った)会社のイメージがあるから」と忠告をいただくことに。

独立当初から、当てにしていた取引先が全滅。この時は本当に焦りました。

が、独立して間もない頃だったから、逆に良かったのかもしれません。

自宅開業で家賃はかかっていなかったですし、当時は気軽な独身時代。

これがもし、家族を養い、住宅ローンを抱えていたら、、 間違いなく独立は白紙。事業は撤退していたでしょう。

そこからは、マーケティング関連の本を読み漁り、新たな金融機関を一から開拓。

金融機関も、複数行と取引をする全方位外交に舵を切りました。

同時に、ホームページ経由の「自力」集客にも力を入れて、集客チャネルを複数化

独立から丸2年ぐらいかけて、少しずつ事業を軌道に乗せていきました。

そんな経験があって、「取引先が「1社」では危険である」、またそこから派生して、「ビジネスでは何か1つに絞るということはリスクである」という思考が生まれました。

 

「1つ」はリスクである

ゆえに、前回の記事でお伝えしたように、

・IT化が急激に深化し、時代が変わろうとしているとき
・世の中の消費者・企業ニーズに変化が起きたとき

などに、1つの業種・業態にこだわっていると、顧客ニーズの変化やマーケットの縮小に対応できなくなるのでは、という強い危機感を持っています。

その他にも、

・販路が1つ
・収入源が1つ
・仕入先が1つ
・紹介元が1つ
・商品が1つ
・事業が1つ

の場合など、もし、その1つがストップしてしまったら?

売上や仕入れなどを8~9割依存している取引先とのビジネスがストップしてしまったら?

そんな想定を、自分のビジネスやクライアントさんのビジネスの課題として持つようになりました。

 

スモールビジネス・オーナーにとっての課題

ちなみに、今、私自身のビジネスにおける最大の課題は、「人」に関するリスクです。

これはスモールビジネス全般に当てはまると思うのですが、自分に万が一のことがあったときにどうなるのか、という話です。

今は、一部の行政書士業務をパートナーに移管して、自分に万が一のことがあっても対応できる体制を作りましたが、その他の業務をどうするか。悩みは尽きません。

現時点では、

・個人保証のある大きな債務は作らない
・最悪自分がいなくても回るビジネスを作る

ということを心掛けています。

色々と話しましたが、「ビジネスにおいて、「1つ」は避けるべき数字である」ということを、頭の片隅に置いておいてください。

 

追伸

また、ビジネスに関する「気づき」や「学び」があったらお伝えしますね。

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西荻窪の経営・起業アドバイザー/財産承継コンサルタント。 「経営の原理原則」をテーマに研究を重ね、これまで数多くのクライアント支援から得た経験と、自らの事業活動による実証を加えたノウハウ・ドゥハウを体系化。 企業経営者、特にスモールビジネス・オーナーの転ばぬ先の杖となり、「経営の原理原則を実践する経営者を増やしてハッピーな世の中を創る」ことを使命とする。 また、「借り入れ時に個人保証を求められる中小企業経営者にとっては会社の財産も個人の財産も一体」との現実、「事業承継にまつわる諸問題」などとも向き合いながら、クライアントの財産承継コンサルティングに取り組む。 「経営と財産は両輪」との信念のもと、クライアントの身近な参謀役(アドバイザー)として日々活動している。 家族は妻と息子と猫(キジトラ雄)。中野(自宅)⇄西荻窪(事務所)を行ったり来たり。