インド映画『パッドマン』から学んだビジネスの要諦 6つ


 

こんにちは、鉾立です。

先日、外で映画を観ようということになり、奥さん推しのインド映画、『パッドマン』を観てきました。

いやあこの映画、製品開発ストーリー、情熱、ビジョン、ビジネスモデル、マーケティング、プレゼンテーション(そしてインド音楽(笑))と、ビジネス的な視点から観てもとても面白かったです。

そこで今回は、「インド映画『パッドマン』から学んだビジネスの要諦 6つ」と題して、その面白さをあなたとシェアできればと思います。(※多少のネタバレ注意)

 

『パッドマン』のストーリー

まず、この映画のストーリーですが、オフィシャルサイトに掲載されている紹介文を引用しますね。

 

現代のインドで“生理用品”の普及に人生を捧げた男の感動の実話

インドの小さな村で新婚生活を送る主人公の男ラクシュミは、貧しくて生理用ナプキンが買えずに不衛生な布で処置をしている最愛の妻を救うため、清潔で安価なナプキンを手作りすることを思いつく。

研究とリサーチに日々明け暮れるラクシュミの行動は、村の人々から奇異な目で見られ、数々の誤解や困難に直面し、ついには村を離れるまでの事態に…。

それでも諦めることのなかったラクシュミは、彼の熱意に賛同した女性パリーとの出会いと協力もあり、ついに低コストでナプキンを大量生産できる機械を発明する。

農村の女性たちにナプキンだけでなく、製造機を使ってナプキンを作る仕事の機会をも与えようと奮闘する最中、彼の運命を大きく変える出来事が訪れる――。

映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』 | オフィシャルサイト| ソニー・ピクチャーズ | DVD 発売
決して諦めない不屈の精神と妻への愛が“奇跡”を起こす!現代のインドで安価な“生理用品”の開発に人生を捧げた男の感動の実話。映画 『パッドマン 5億人の女性を救った男』 2019年4月24日(水)DVD 発売

映画のテーマが“生理用品”ということで、女性には身近なテーマだと思いますが、男性も知っておくべき、いや、知らなければならないことだと思いましたよ。

 

この映画から学んだビジネスの要諦 6つ

さて、私がこの映画から学んだビジネスの要諦は次の6つです。

1.突き抜けた情熱

研究とリサーチに日々明け暮れるラクシュミの行動は、村の人々から奇異な目で見られ、数々の誤解や困難に直面し、ついには村を離れるまでの事態に…。

映画の前半はほとんどこの辺りの描写になるのですが、、 家族からその行動を非難され、ついには最愛の妻も家を出て行き、村にいられなくなっても、主人公はナプキンの開発を諦めませんでした。「何が何でも清潔で安価なナプキンを作る」という突き抜けた情熱が、後の成功のベースになったのだと思います。

2.顧客の声を聞く

生理用品は女性が使うものです。男性である主人公がナプキンを開発するためには、女性にその感想を聞かなければなりませんでした。これはどんなビジネスでも同じことでしょう。顧客の声を聞くことで、その製品の良し悪しや改良点などが分かるのですから。

3.テクノロジーの活用

手作りのナプキンを何度試作しても失敗が続き、、

そんなときに製品開発のブレイクスルーとなったのが、なんと「Google検索」でした。

ナプキンに適した素材の仕入ルートや、安価に作るための製造工程は、ネット上にヒントが転がっていたわけです。テクノロジーを活用することで、一気に製品化の道を駆け上がることになりました。

4.権威とメディアの効用

普及に向けてのブレイクスルーとなったのが、

・草の根テクノロジー発明賞の受賞
・新聞、テレビなどメディアへの露出

でした。

そこから、主人公が開発した簡易ナプキン製造機は、インドのみならず、海外にも広がっていきます。

さらにその後、

・米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出
・インド政府からの褒章パドマシュリの授与

と影響力の輪が広がっていきました。

5.分かりやすいコンセプト、ビジョン、そしてユーモア

映画のクライマックスで描かれているプレゼンテーションの場面。

「商用パッド(ナプキン)の3分の1の低コストで衛生的な製品を製造する」

「インドを、女性100%が生理用ナプキンを使用する国にする」

「スーパーマンではなく、スパイダーマンではなく、パッドマン」

など(正確なセリフではないですが…)、分かりやすいコンセプト、ビジョン、そしてユーモアが、聴衆の心をわしづかみにしました。

いやあ、言葉の力に痺れました。

6.ビジョンとビジネスモデルの一貫性

「すべての女性に安価なナプキンを普及させる」というビジョンは、主人公が一貫して大事にしていたことでした。

途中、大規模商業化の話が舞い込んでも、それでは値段が上がってしまう、お金儲けが目的ではない、とあっさりと断ってしまいます。

そして、簡易ナプキン製造機を作っては、女性の自助グループに販売し、起業と意識改革をうながし、女性たち自らがその機械を使い、作ったナプキンを女性たちに届ける、というビジネスモデルを作り上げました。

 

以上、私が感じた「インド映画『パッドマン』から学んだビジネスの要諦 6つ」でした。

実は、正直に白状すると、当初は予告編動画を観てもあまりピンとこなかったんです、、

が、ほんと、おすすめの映画です。クライマックスのプレゼンテーションの場面では、涙腺決壊しましたよ。

ちなみに、この映画の主人公ラクシュミは、タフでユーモアのある人物として描かれていますが、映画鑑賞後、実在のモデルであるアルナーチャラム・ムルガナンダム氏本人のスピーチをYouTubeで観たところ、やはりユーモアがあってエネルギッシュな方でした。(映画鑑賞後にTEDでのスピーチを是非!)

やっぱりユーモアって大事だなあ。

 

追伸

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西荻窪の経営・起業アドバイザー/財産承継コンサルタント。 「経営の原理原則」をテーマに研究を重ね、これまで数多くのクライアント支援から得た経験と、自らの事業活動による実証を加えたノウハウ・ドゥハウを体系化。 企業経営者、特にスモールビジネス・オーナーの転ばぬ先の杖となり、「経営の原理原則を実践する経営者を増やしてハッピーな世の中を創る」ことを使命とする。 また、「借り入れ時に個人保証を求められる中小企業経営者にとっては会社の財産も個人の財産も一体」との現実、「事業承継にまつわる諸問題」などとも向き合いながら、クライアントの財産承継コンサルティングに取り組む。 「経営と財産は両輪」との信念のもと、クライアントの身近な参謀役(アドバイザー)として日々活動している。 家族は妻と息子と猫(キジトラ雄)。中野(自宅)⇄西荻窪(事務所)を行ったり来たり。