集客型イベントが陥りやすい落とし穴
こんにちは、鉾立です。
もしあなたが、
- 無報酬で集客型イベントを行い続けることができるイベント企画者
- 集客型イベントの期間中の売上だけで十分満足できる店主
であれば、今回の記事は読む必要はないでしょう。
そうでなければ、、、
この記事は、きっとあなたの事業や経営に役に立つと思います。
集客型イベントが陥りやすい落とし穴とは?
地域で仕事をしていると、様々な集客型イベントに関わることがあります。
例えば、
- 業界団体の支部主催の無料相談会(目的・・・業界の知名度を上げたい等)
- NPO法人が主催する講座やセミナー(目的・・・指定管理者として実績を上げたい等)
- 商店街のお祭り(目的・・・商店街を活性化したい等)
- 地域の手作り市(目的・・・地域文化を創造したい等)
など。
最近は私もなかなか時間がとれなくなり、これらの活動にあまり関わっていませんが、もともと私はイベントやお祭りなどの非日常的な空気感が大好きで、地域のイベント活動に積極的に参加していた時期がありました。(地域で起業しようとする方は、このようなイベントに関わることがスタートアップ時に役に立つかもしれません。)
その時に感じていたことは、
- 慈善事業といっても、関わる人に何らかの「報酬」が発生しなければ、長期的に続けることは困難
- イベント開催期間中の「そのときだけの売上」に一喜一憂している店主が多い
ということ。
慈善事業に関わる人にとっての「報酬」というのは、何も金銭だけではないかもしれません。が、やはり事業として運営・継続していく以上、また維持するためにも、ある程度のお金が必要になるもの。イベント企画者にとっての「顧客」に対し、継続的に価値情報を発信・提供して「報酬」をもらえるような仕組みを作ればいいのに、、
また、イベント開催期間中に「いくら売れた」「トントンだけど労力を考えると赤字」「イベントのおかげで店の売上が落ちた」と、そのときの売上だけでイベントの効果を語る店主も多いように感じます。本来、自店でそれだけのお客さんを集めようとしたら、費用的にも労力的にもかなり大変なこと。その絶好の機会を「将来の売上」に活かそうという発想がみられないのが残念だな、、と感じました。
ある町の小さなケーキ店の話
せっかく魅力のあるイベントを企画してたくさんの人を集客することができているのに、また、せっかくたくさんの人が集まっているイベントに参加・出店しているのに、その都度の成果でだけで終わってしまうのが非常にもったいないなーと感じるんですよね。
そこでヒントになるのが、ワクワク系マーケティング実践会を主宰する小坂裕司氏の著書、『価値創造の思考法』に書かれていた次のエピソードです。早速引用してみましょう。
ある町の小さなケーキ店が、クリスマスイベントとして本物のトナカイを連れてくる。その数日間は、人口4万3000人の小さな町で、来店客がなんと4500人にも達する。集客面では実に効果的な施策と言えるが、店主は当時、慈善事業だとおっしゃっていた。喜ばれるのはいいが、数日間で4500人も来ると、店として対応しきれない。それほどケーキは作れないし、売上にはあまり良い結果を生まないと言うのだ。私は当時、これを連結されていない典型的なケースだと考えて著書に取り上げた。
ひとつの施策は常に次の何かに連結されているべきで、その数日間で完結させてはならない。
何千人と来店したら対応できない以上、その人々に対して次につながることをする。期間中はそれに徹する。具体的には、1ヵ月間有効のクーポン券を全員に渡す、何らかの方法でひとりでも多くの個人情報を入手するなどのことだ。そうすれば、次に活かすことができる。
名簿獲得を目的とし、獲得した名簿に対して次の働きかけをすれば数ヵ月の間に確実に来店してくれる施策があるとしたら、数日間のトナカイイベントは活きる。わずか数日間で町の全人口の1割に匹敵する名簿件数を得られるのだから。
EXIT(出口戦略)を意識しているか?
この話は、なにも慈善事業の集客型イベントに限らず、我々中小零細企業のマーケティング活動においてもとても重要な話だと思います。
広告を打ち、SNSを駆使し、チラシを撒いて、いざ集客!
↓
自店に来店(自社に来社)
↓
それっきり、、、
もし、来店したお客さんにきちんとオプトインして(事前に承諾を得て)個人情報をもらうことができれば、その後の関係性づくりの土台を作ることができるでしょう。
入口戦略に注力するのは、出口戦略を固めてから。
心当たりがあれば、ぜひじっくりと考えてみてください。
追伸
「初来店の見込み客を『顧客』に変える出口戦略」について詳しく知りたい方はこちら
↓
https://hokodate-eiichilaw.com/business/adviser/
鉾立 栄一朗
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