あなたのビジネスはどの「領域」で勝負している?
こんにちは、鉾立です。
前回の記事、
では、あなたの会社と競合(ライバル)との差別化を考えるとき、「手軽軸」「商品軸」「密着軸」の3つの軸で考えると分かりやすい、という話をしました。
今回は、差別化の話にも関連しますが、より基本的な概念である「事業ドメイン」についてお伝えしようと思います。
事業ドメインとは?
まず言葉の定義から確認してみましょう。
組織が経営活動を行う基本的な事業展開領域のこと。
事業ドメインを規定することで、“競争する事業領域”を明確にし、必要な事業に資源を集中して投入することで戦略の最適化を図ることができる。
それと同時に、勝てる見込みの薄い領域を認識し、“参入しない事業領域”を明確にすることで無謀な多角化を抑制できる
多少難しく書いてはありますが、要は、
「うちは●●で勝負しています。●●では勝負してません」
ということを明確にすること。
「事業コンセプト」と言い換えても良いかもしれません。
事業ドメインは、経営戦略を立案したり決定したりする際の拠り所となる、とても重要な概念であることが分かると思います。
これまでの企業の事業ドメインは、、
これまでの企業の事業ドメインは、”見たままの商品・サービス”で語られることが一般的でした。
例えば、
・雑貨を売っている店であれば、「うちは雑貨屋です」
・コーヒーを提供している店であれば、「うちはコーヒーショップ(カフェ)です」
・行政書士であれば、「許認可手続きの代行屋です」
などなど。
当たり前といえば当たり前ですね。
しかし、これだけモノやサービスが溢れ、商品ライフサイクルが短くなった現在では、
・よほど名の知れたブランド
・イノベーションを起こし続けている
・希少性が高いモノであり続けている
などの要因がなければ、扱っている「商品・サービス」だけをクローズアップして「うちは○○屋です」と勝負して行くのは難しくなると思うんですよね。
これからの企業の事業ドメインは?
ピーター・F・ドラッカーは、名著『マネジメント』の中で、「事業の定義」について次のように解説しています。
企業の目的と使命を定義するとき、出発点は一つしかない。
『顧客』である。 顧客によって事業は定義される。
事業は、社名や定款や設立趣意書によってではなく、顧客が財やサービスを購入することにより満足させようとする『欲求』によって定義される。
顧客を満足させることこそ、企業の使命であり目的である。
したがって、「われわれの事業は何か」との問いは、企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる
ドラッカーが言っているのは、
事業は、「顧客の欲求」「顧客の満足」「顧客にとっての価値」によって定義される
ということ。
このように、”見たままの商品・サービス”で事業を語るのではなく、「顧客の視点」で事業ドメインを再定義することで他社との差別化や独自のポジショニングを築く企業が出てきています。
よく知られている企業でいうと、
- モノを売るのではなく、「人々の購買の意思決定を助けるサービス」を提供する(アマゾン)
- 空飛ぶバス(サウスウエスト航空)
- 第三の場所(スターバックスコーヒー)
- 「人は、何がうれしいか」という普遍的なテーマを、他にはないアイディアで実現して世の中に価値をお届けする(東京糸井重里事務所)
などですね。
くどいようですが、”見たまま”ではなく、
”顧客にとってどんな価値を提供しているのか”
という視点で語られているのがポイントです。
また、優れた事業ドメインに共通しているのは、
・背後にストーリーがある(何のために、誰のために)
・わかりやすくシンプルである
・自社スタッフ・顧客・取引先などに浸透している
ことなどが挙げられます。
であるからこそ、経営戦略の立案時や決定時の拠り所となるだけでなく、自社で働くスタッフに一体感を生み出したり、「うちの会社はよそとは違います」という市場に対する鮮烈なメッセージになっているのだと思います。
また、事業ドメインを「顧客軸」で定義すると、旧来の業界の枠組みから解放され、そこから新たなビジネスが派生したりします。
あなたの事業を「顧客軸」で再定義してみよう
ちなみに、鉾立榮一朗事務所であれば、見たままの「手続き業務」を売っているのではなく、「お客様の“ハッピーな将来を実現する”お手伝いをする」ことを売っています。
では、あなたのビジネスの事業ドメインは?
ぜひ、今回の記事をヒントに、事業ドメインの再定義(言語化)に取り組んでみてください。
追伸
「うちの会社の事業ドメインって何だろう??」と悶々としている方はこちら
↓
https://hokodate-eiichilaw.com/business/startup/
鉾立 栄一朗
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