あるビジネスにおけるBtoBマーケティングの具体的な戦略・手法【BtoBマーケティング②】
こんにちは、鉾立です。
前回の記事では、まず
・BtoB(Business-to-business)の定義
・BtoBのメリット
について解説し、
またBtoBの取り組み事例として、最近の鉾立榮一朗事務所での事例(インタビュー記事)をご紹介しました。
スポット型の商品・サービスを安定的・継続的に売る方法【BtoBマーケティング①】
今回は、鉾立榮一朗事務所におけるBtoBマーケティングの具体的な戦略・手法について解説しようと思います。
もしあなたが、私とは異業種・異業界のビジネスを行っていたとしたら、ぜひ、自分のビジネスと置き換えながら読んでみてください。
きっと、何か気づきが得られるんじゃないかと思います。
そもそも、誰を顧客(C)にするか
戦略の前に、そもそもの話から始めますね。
「ビジネスを通じて、誰の、何の問題を解決すのるか」。
独立・起業をするなら、この問いについて、突き詰めて考えておく必要があるでしょう。
マーケティング的には、この「誰の」の部分、すなわち誰を顧客にするのかというところはめちゃくちゃ重要になります。
ここが決まっていないと、あとあとビジネスの軸がブレてしまうことがあるからです。
私の場合、独立当初は中小企業の経営者を明確な顧客像としていました。
なぜかというと、リスクとロマンを体現する中小企業の経営者という人種が大好きだから。
そんな中小企業の経営者と一緒に仕事がしたい、彼らの力になりたい、というのがそもそもの出発点でした。
「法律手続きの助言・提案・代行を通じて、中小企業経営者の経営問題・財産問題の解決をサポートする」
これが、鉾立榮一朗事務所の基本コンセプトになりました。
顧客(C)と接点のある人は?
で、ここからが戦略の話。
この中小企業の経営者と接点がある人はどんな人なのだろうか?と次に考えました。
ずいぶん前の話ですが、企業再生コンサル会社で働いていたころに中小企業白書という統計分析の本を読んだことがあったのですが、そこには、中小企業の経営者の経営問題・財産問題の相談相手は、断トツ1位が顧問税理士、そして次いで多かったのが取引先金融機関と書いてありました。
そこで私が描いたビジネスモデルが、BtoBtoC、すなわち、
鉾立榮一朗事務所(B) to 取引先金融機関(B) to 中小企業の経営者(C)
というモデルでした。
中小企業の経営者の相談相手である取引先金融機関から顧客の紹介を受ける、というモデルです。
やはり企業再生コンサル会社で働いていた頃も、
企業再生コンサル会社(B) to 提携先信用金庫(B) to 中小企業の経営者(C)
というモデルでしたので、金融機関については、大手銀行ではなく地域密着型の信用金庫の方が私も実情がよく分かっています。
そこで、独立後も地元の信用金庫をまず攻めることにしました。
なぜ、金融機関(B)は顧客(C)を紹介してくれるのか?
次に考えたのが、金融機関が顧客を専門家に紹介する理由についてでした。
この点については、「顧客を誰にするか」の視点に次いで重要な部分だと思います。
つまり、金融機関が顧客を専門家に紹介することで得られるメリット(ベネフィット)は何か?
これは以前勤めていた企業再生コンサル会社での経験が役に立ちました。
顧客を専門家に紹介し、顧客の抱える経営問題・財産問題を解決してもらうことで、金融機関としては、
①融資につながる
②預金を集めることにつながる
③顧客からの信用が高まる
突き詰めて考えると、大きくこの3つだなと。
これで、セールストークのメッセージが固まりました。
つまり、地元信用金庫への訪問時のセールストークのスクリプト(台本)は、
1. 挨拶・名乗り
↓
2. 顧客の抱える経営問題・財産問題を解決することで、融資・預金の獲得につながった事例を紹介
↓
3. 現状・案件のヒアリング
↓
4. 顧客紹介の流れを説明
という構成になりました。
このスクリプトは現在でも変わりはありません。
紹介者(B)をどのように増やしていくか
顧客を専門家に紹介することが金融機関としてメリットがあることだとしても、経営問題や財産問題の案件というのは、そう頻繁に紹介があるわけではありません。
顧客にとっての緊急度、顧客との関係性の深さ、最適な紹介のタイミングなど、複数の要因が絡まる中で紹介が起こります。
つまり、定期的に顧客を紹介してくれるキーマン(本来のBtoBで言うところの「販路」)を増やしていく必要がありました。
地元の信用金庫へのアプローチは、まず、身内(家族)からの紹介でスタートしました。
確か、母親の定期積金集金の担当者さんとまず名刺交換をし、次にその方から上司(次長)を紹介してもらい、さらにその次長から支店長を紹介してもらったのだったと思います。
そのうち、次長が他の店舗に異動し、その異動先の店舗で支店長を紹介してもらい、、
そんな感じで、どんどん紹介を繋いでいきました。
そんな中、一気にキーマンが一気に増えたのが、取引先信用金庫が主催する、顧客同士のビジネスをマッチングするという趣旨のイベントでのこと。
取引先信用金庫の全支店の支店長が一堂に会するそのイベントで、既存のキーマンからの紹介を介して多くのキーマンたちとつながることができました。
紹介者(B)との関係性を維持するには?
どんなビジネスでもそうですが、名刺交換だけでビジネスが始まることなんてほとんどありません。
鉾立榮一朗事務所では、地元の信用金庫(3行)を回り始めた当初に、ニュースレターの作成を始めました。
ニュースレターのメインコンテンツは、もちろん、顧客の抱える経営問題・財産問題を解決することで、融資・預金の獲得につながった事例。
毎月1回ニュースレターを作成し、このニュースレターを手土産に(口実に)各店舗を定期的に回り、キーマンとの関係性を維持するという戦略です。
「鉾立先生とは、ニュースレターを持ってきてくれてご挨拶したのがきっかけですよね」
「そんなときに、日頃顔を出してくれていてニュースレターをいただいている鉾立さんの顔が浮かびました」
「前の店にいたとき、ニュースレターを定期的にお届けにいらしていて、鉾立さんのことを知りました」
「ニュースレターをいつも拝見していて、何かあったらお願いしようと思っていました。」
「鉾立先生なら、ニュースレターの事例を読んでいて、色々やってくれそうだと思いご連絡をしました」
「そこでいつも読ませていただいているニュースレターに確か親族間の不動産売買の事例があったはず、と鉾立さんのことを思い出し、名刺を探し、お電話をさせていただきました」
「最近は毎月送られてくるニュースレターを楽しみにしています。あれがあるから電話もしやすい。(笑)」
独立してから現在までVol.90まで号を重ねてきましたが、このニュースレターが、取引先信用金庫との強力な関係性維持装置になっていることは間違いありません。
※なお、2017年9月現在、都内を中心に7金融機関・60店に本ニュースレター(紙媒体)をヤマトDM便でお届けしています。
紹介案件の進捗・結果は、必ずキーマンに報告
人は、誰かに人を紹介すると、その結果どうなったのか?と後から気になるものです。
ビジネスであればなおのこと。
顧客を紹介した後に起きた結果は、キーマンの業績・信用に直接関係してきます。
また、顧客を紹介した後も、キーマンと顧客の関係は続くもの。
鉾立榮一朗事務所では、紹介案件の進捗・結果については必ずキーマンに報告して安心してもらうように心がけています。
そして、その報告の機会を、同時に、関係性維持の機会とし、また、ニュースレターに掲載する「信用金庫職員様の声」のためのインタビューの機会としています。
こちらからも顧客(C)を紹介する関係へ
このように構築してきた
鉾立榮一朗事務所(B) to 取引先信用金庫(B) to 中小企業の経営者(C)
のモデルですが、今では逆のケースが増えてきています。
それは、
中小企業の経営者(C) to 鉾立榮一朗事務所(B) to 取引先信用金庫(B)
という逆の流れのモデルです。
最近では、ホームページ経由でお客さんになった中小企業経営者を、当事務所の取引先信用金庫に紹介するケースが増えてきました。
典型的なのが、当事務所のクライアントさんの融資案件を取引先信用金庫に紹介するケース。
当事務所が、事業計画書など融資申し込み資料の整備のサポートを担当します。
すでに当事務所と関係性が構築できているキーマン経由で融資を申し込むので、イチから動くのに比べて、審査~融資実行までのスピードがかなり短縮されています。
結果として、関係当事者がwin-winとなる状況が数多く生まれています。
以上、ざっとお話ししてきましたが、ここまでが鉾立榮一朗事務所におけるBtoBマーケティングの具体的な戦略・手法になります。
他にも、
・お礼ハガキ
・メールマガジン案内
・セミナー・研修会講師の提案
など、個別の手法がまだまだありますが、長くなったのでまた別の機会に。
次回は、BtoBマーケティングのお薦めの書籍を紹介しますね。
追伸1
BtoBマーケティング、法人営業をこれから検討したいと考えている方はこちら
↓
https://hokodate-eiichilaw.com/business/adviser/
追伸2
また、あなたのビジネスに役立つ情報をお届けしますね。
↓
鉾立 栄一朗
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