失敗を活かせない人、活かせる人の違い
先日、SNSで知ったのですが、電子書籍サービスの『DMMブックス』が、「初回100冊まで70%オフキャンペーン」で約60億円の損害(!)を出していたとのこと。
実は私もこのキャンペーンを利用してマンガ『正直不動産』の全巻を購入していたので、どうやらこの「60億円の損害」に貢献してしまっていたようです(笑)。
60億円の損害を出した「DMMブックス」70%OFFキャンペーン早期終了の裏側を責任者と会長に聞いた。
こんな盛大な失敗(60億円の損害)は小規模ビジネスではありえませんが、我々スモールビジネス・オーナーも、日々、大小さまざまな失敗を経験しながらビジネスを行ってきていると思います。
ということで、今回のテーマは、「失敗を活かせない人、活かせる人の違い」について。
失敗を活かせない人、活かせる人には、どのような違いがあるのでしょうか?
私は、次の3つの要素が、両者の違いを分けるポイントだと考えています。
<目次>
1. 失敗に対するマインド面
まず、失敗に対するマインド面について。
失敗を活かせない人は、過去の失敗を引きずり、いつまでも先に進めない人だと思います。
「そのやり方は以前やったけど上手くいかなかった。だから今更やってもダメ」と、何でもすぐに諦めてしまう人というのが典型的。
前提条件が変われば結果が変わるようなものであっても、過去の失敗が頭を支配していて思考が停止してしまうようでは、失敗を活かすことはできないでしょう。
逆に、失敗を活かせる人は、過去の失敗を引きずらず、未来に思考を向けられる人だと思います。
失敗するのは悔しいものです。
「じゃあ、どうすれば失敗しなかったのかな?」
「こうやれば失敗しなかったかな?」
「次はこうしよう」
と、悔しさを未来への取り組みに対するモチベーションにできる人が、失敗を活かすことができるのだと思います。
2. 失敗の原因に対する考え方
次に、失敗の原因に対する考え方について。
失敗を活かせない人は、いつも同じ失敗を繰り返し、学習しない人だと思います。
同じ失敗を繰り返すということは、必ず失敗の原因となるボトルネックがあるということ。
一度、時間をとってボトルネックを見つけて解消すれば、失敗を繰り返しようがないはずです。
なのに、「そんな時間ない」「面倒くさい」という人は、失敗を活かすことはできないでしょう。
逆に、失敗を活かせる人は、「失敗を繰り返さないためにはどうすればいいか」と真剣に考える人だと思います。
失敗を活かせる人は、失敗するのがめちゃくちゃ悔しいため、失敗を繰り返すことを許しません。
それに、ボトルネックの発見と解消にある程度時間がかかっても、失敗を繰り返すことによる時間のロスの方が大きいことがよくわかっています。
失敗の原因を真剣に考え、ボトルネックの解消に時間を惜しまず取り組める人が、失敗を活かすことができるのだと思います。
3. 失敗をノウハウに変えているかどうか
最後に、失敗をノウハウに変えているかどうかについて。
「失敗は成功の母」
「怪我の功名」
「災い転じて福となる」
という言葉があるように、失敗は、実はものすごく価値があるもの。
それなのに、失敗しても、それをノウハウに変えることができない人は、失敗を活かせない人だと思います。
また、過去の成功体験にとらわれている人も、失敗を活かせない人だと思います。
なぜかというと、成功体験だけではノウハウがたまりにくいからです。
「あれをやったときは上手くいった」と、成功体験だけを頼りにビジネスを行っていると、それが上手くいかなかったとき、特にビジネス環境に変化が起こったときに苦労します。
過去の成功体験にとらわれて、失敗を恐れてチャレンジを怠っていては、失敗から得られるノウハウがたまりません。
逆に、失敗を活かせる人は、失敗をノウハウに変えることができる人だと思います。
過去の成功体験にとらわれず、新しいことにもチャレンジしていく。
そして失敗したとしても、「転んでもタダでは起きない」と、そこから何かを得ようとする人が典型的。
失敗を繰り返さないために、また、より成功の確率を上げるために、失敗を教訓として、後から振り返ることができる形にノウハウとしてまとめます。
失敗の度にノウハウがたまり、それは未来の課題を解決するための強力な武器となります。
以上が、私が考える「失敗を活かせない人、活かせる人の違い」です。
ところで、冒頭に紹介したDMMブックスの「60億円の損害」の話の続きです。
リンクの記事によると、「70%オフキャンペーン」の責任者である電子書籍事業部の部長さんは、辞表を書くことも考えて、キャンペーンの顛末を同社会長に報告したそうです。
ところが会長は、「クヨクヨしてても、しょうがない。高くついたとしても、新規会員が増えたのは間違いないんだから、その会員に対して何ができるか、どう活用するかを考えて努力してほしいんだよね」と部長さんに対する信頼を口にされています。
それを受けて部長さんも、「成長に向けて今までやってきた『DMMブックス』の圧倒的なキャンペーン施策をやめるつもりはありません。(中略)今回の反省をちゃんと生かし、関係者の皆様にも喜んでいただけるようなキャンペーンにして、成長に向けてスピードをどんどん上げていくつもりです」と、やる気マンマンの様子。
これからも、私はDMMブックスの「圧倒的なキャンペーン」のお世話になりそうです(笑)。
追伸
また、ビジネスに関する「気づき」や「学び」があったらお伝えしますね。
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鉾立 栄一朗
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