起業後、続けられなくなってしまう本質的な理由【PAM理論】™②


情熱

 

こんにちは、鉾立です。

前回の記事、「あたたの核になる事業は?【PAM理論】™①」では、会社設立の相談で弊社に来社されたあるご相談者の話、その方の話を聞いていて私が覚えたある「違和感」のこと、そしてその「違和感」の理由を、概念図「あなたの核になる事業は?【PAM理論】™」にまとめたところまでお話ししました。

あなたの核になる事業は?【PAM理論】(概念図)

 

今回は、その【PAM理論】™の出発点となる「情熱(Passion)」について、私のケース(自分のことで恐縮ですが、、)も交えながら詳しくお伝えしたいと思います。

 

あなたが本当にやりたいこと、ワクワクすることは?

もしあなたの始めた事業が、当初の計画通りの収益が上がらず、用意していた資金がみるみる減っていってしまったら?

事業を始めてから軌道に乗せるまではそれなりに時間がかかるものです。世の中には、1年目、2年目と赤字が続き、3年目でようやく黒字になるという会社もとても多いのです。

数々のベストセラー経営書の著者である株式会社武蔵野の小山昇社長は、「独立したら3年は休まないで仕事をしなさい」とおっしゃっています。

「儲かりそうだから」という理由だけでは、キツイときに続きません。

また、起業・独立というのは、自分の考えで自由に仕事ができるという反面、こと「お金」と「時間」に関しては不自由になりがちです。

よく「創業後3年以内の廃業率は70%」と言われますが、実際はその「お金」と「時間」の不自由さに悩み、毎月決まったお給料がもらえて定時に帰れた勤め人の頃と比べて割に合わない、という結論に至って廃業する人が多いのだと思います。

キツイ、割に合わない、、

そんな感情を打ち負かすのが「情熱」です。すなわち、あなたがこれから取り組もうとする事業が、あなたが本当にやりたいこと、ワクワクすることであれば、キツイ、割に合わないと思えてしまう時期であっても乗り越えることができるはずです。

 

あなたの情熱(Passion)の源泉を知るための3つの質問

では、あなたの「情熱」とはいったいどんなものでしょうか?

情熱を持つ人の周りには、その熱量に魅かれるように自然と人が集まるものです。

もっと言うと、情熱は言語化することによってはじめて人に伝えることができます。

これはビジネスにおいてとても重要なことです。

あなたの情熱を言語化することではじめて顧客・取引先・従業員にその想いが伝わり、共感の輪が広がり、あなたの事業が育っていくのです。

逆もまた然り。情熱を言語化すると、顧客・取引先・従業員にある種のフィルターがかかり、あなたと合わない人たちを遠ざけることができます。(無理して合わない人と一緒に仕事をする必要がなくなります。)

でも、いきなり言語化といっても難しいですよね。

そこであなたの情熱の源泉を知るためのヒントになるのが次の3つの質問です。

ぜひ紙に書いて、あなたの情熱を言語化してみてください。

 

1.世の中や身の回りのことに対する不満で、あなたが「解決したい!」と強く思っていることはどんなことですか?

これはとてもパワフルな質問です。

「不満」というと一見ネガティブな感情にも見えますが、でも「不満」があるからこそ、世の中をもっと良くしたい、もっと便利になれば、といったポジティブな感情が生まれるのです。実際、多くのビジネスがそういった「不満」からスタートし、世の中に新しい価値を生み出しています。

私の場合は、

  • 経営のことがよく分からなかったため、会社がピンチのときに役に立てなかった(インテリアショップ勤務時代に感じた、自分に対する不満)
  • 誰がやってもほとんど変わらない定型業務ではなく、依頼者の悩みを解決する相談業務に関わりたい(総合法務事務所勤務時代に感じた、与えられた仕事に対する不満)
  • 目先の自社の業績よりも、顧客の問題解決にフォーカスしたい(→業績は結果としてついてくるもの)(企業再生コンサルティング会社勤務時代に感じた、会社の方針に対する不満)

が、起業・独立の原動力になりました。

では、あなたの場合は?

 

2.ビジネスやプライベートでテンションが上がる(「うれしい!」「やった!」「楽しい!」)と感じるのはどんなときですか?

これはよりポジティブで個人的な質問です。

「うれしい!」「やった!」「楽しい!」といった感情は、人それぞれ、感じ方に違いがあります。この感情を持てるからこそ、キツイときも頑張れたり、困難な状況を乗り越えられたりするのだと思います。

私の場合は、

  • クライアントの問題を解決して、「鉾立さんのお蔭で助かりました。感謝しています」と言われたとき
  • 仕事でぶち当たったデッドロック案件にあきらめないで手を尽くした結果、問題解決の糸口が見つかってものごとが動き始めたとき
  • 趣味のフットサルで、チームのパスの連携で相手の守備を崩して点が決まったとき

にめちゃくちゃテンションが上がります。(アドレナリンが出ます)
まあ、これがあるから仕事もフットサルの「攻守の切り替え」も頑張れるんですよね。

では、あなたの場合は?

 

3.あなたの「好きなこと」や「関心があること」で、人よりたくさんの時間やお金を使ってきたと自負できることはどんなことですか?

これはとても正直な質問です。

なぜなら、時間やお金を使うということは、それだけあなたが情熱を傾けてきたことであると言えるからです。

私の場合は、

  • 平均で週1冊ペース。これまで400冊以上は読んできているビジネス書
  • マーケティング教材やビジネスセミナー
  • 資格試験の勉強

に時間とお金を使ってきました。

では、あなたの場合は?

 

ぜひ一人の時間を作って、これらの質問の答えを紙に書いて、あなたの情熱を言語化してみてください。

 

次回は、【PAM理論】™の土台であり基礎となる「能力(Ability)」について詳しくお伝えします。

どうぞお楽しみに!

 


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西荻窪の経営・起業アドバイザー/財産承継コンサルタント。 「経営の原理原則」をテーマに研究を重ね、これまで数多くのクライアント支援から得た経験と、自らの事業活動による実証を加えたノウハウ・ドゥハウを体系化。 企業経営者、特にスモールビジネス・オーナーの転ばぬ先の杖となり、「経営の原理原則を実践する経営者を増やしてハッピーな世の中を創る」ことを使命とする。 また、「借り入れ時に個人保証を求められる中小企業経営者にとっては会社の財産も個人の財産も一体」との現実、「事業承継にまつわる諸問題」などとも向き合いながら、クライアントの財産承継コンサルティングに取り組む。 「経営と財産は両輪」との信念のもと、クライアントの身近な参謀役(アドバイザー)として日々活動している。 家族は妻と息子と猫(キジトラ雄)。中野(自宅)⇄西荻窪(事務所)を行ったり来たり。