独立・起業するなら、キャリアを活かせ

今回は、「仕事柄、独立・起業相談を受けることが多い」シリーズです。

「〇〇の資格を取ることを検討していて、キャリアとビジネス両面のアドバイスが欲しいのですが…」

そう相談されたら、次のように答えます。

その他大勢の“新入り”と同列で独立・起業のスタートラインに立つ必要はない

たまに、

「人生100年時代。次のキャリアを考えていて」
「ホームページを拝見したのですが」
「知人に紹介されて」

と、私のキャリアやビジネスに関心を持たれて、面談を希望される方がいらっしゃいます。

特に、これから資格を取得して独立・起業をしようとしている方は、

• どういった分野を専門にすべきか？
• どういった方法でお客さんを集めているのか？
• どのような体制で事務所を運営しているのか？

といった点に不安を持っているもの。

私自身が独立する際に、先輩の話を聞いてとても参考になった経験があったので、なるべくこういった相談には乗るようにしています。
（お節介な性格でもあるので）

そんな方に一番伝えたいことは、

「何も、その他大勢の“新入り”と同列で独立・起業のスタートラインに立つ必要はない」

ということです。

真面目な方ほど、資格のレッテルに縛られて、自分の可能性を狭めてしまうように感じることが多いです。

せっかくこれまでの「自分だけ」のキャリアがあるのに、「心機一転、イチから資格を活かして独立します！」というやり方だと、その他大勢の“新入り”と同列で独立・起業のスタートラインに立つことになります。

このとき、資格だけを頼りに独立しようとすると、

資格に紐づけられた業務しかやらない
↓
新人にはなかなか仕事が回ってこない
↓
なかなか実務経験が積めない
↓
差別化できるのは価格だけ
↓
バイトとかけもちでいつまでたっても本当の意味で独立できない

と、負のスパイラルに陥る可能性が高いです。

そうならないためにも、これまで選択してきた自分のキャリアに誇りをもって、そのキャリアを活かすべきだと私は考えています。

これまでのキャリアを通して、“一貫していること”は何か？

キャリアを活かすと言っても、

「いや、まったく新しいことにチャレンジしたいんです」
「とても活かせそうなキャリアはありません」

と思う方もいるでしょう。

そんなときは、見たままのキャリア（ジョブ）ではなく、そのキャリアの裏側にある

• 好きなこと／嫌いなこと
• 得意なこと／苦手なこと
• 貢献できること／貢献できないこと

にフォーカスすると良いと思います。

そうすると、一見何の繋がりのないようなキャリアでも、例えば、

• 人の相談に乗るのが好き
• 画一的、単調な仕事は苦手
• 主役ではなく参謀役

など、これまでのキャリアを通じて、“一貫していること”が見えてくるものです。

この“一貫していること”を活かすとしたら、どのような分野を専門にすべきか、どのようなお客さんが対象になるのか、についても見えてくるんじゃないかと思います。

キャリアを掛け算する

キャリアを活かすもう1つの視点は、キャリアの掛け算です。

私の場合は、

小売り・卸売り業
↓
合同法務事務所
↓
企業再生コンサルティング会社

とキャリアを歩んできましたが、独立時から、「経営 × 法務 × 不動産 × コンサルティング」を掛け算した領域を自分の専門分野としていました。

こうなると、独立・起業時にその他大勢の“新入り”と比べられなくなるものです。

資格だけを頼りに独立・起業していたら、このような発想は生まれにくいと思います。

お客さんはプロフィールを見る

独立・起業すると、自社サイトを立ち上げて、サイトに自分のプロフィールを載せることになると思います。

このプロフィール、お客さんは、

「この人はどんな人なのか」
「どんな経歴を持った人なのか」

と、しっかり見ていると思ったほうが良いでしょう。

芯のある、筋の通ったプロフィールは、

「なるほど、こういうキャリアをたどった結果、今この仕事をしているのか」
「こういうキャリアを積んだ人なら間違いない」

など、専門家としての説得力を生み出します。

そういう意味では、独立・起業する前に、一度自分のプロフィールを書き出してみることもお勧めです。
（独立・起業後も、何度もブラッシュアップすることをお勧めします）

ちなみに、この考え方は、独立・起業だけでなく、新規事業を立ち上げる際も有用だと思います。

あなたはこれまでどんなキャリアを積んできた？

追伸

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鉾立 栄一朗

代表取締役 ： Change＆Revival 株式会社

西荻窪の経営・起業アドバイザー／財産承継コンサルタント。 「経営の原理原則」をテーマに研究を重ね、これまで数多くのクライアント支援から得た経験と、自らの事業活動による実証を加えたノウハウ・ドゥハウを体系化。 企業経営者、特にスモールビジネス・オーナーの転ばぬ先の杖となり、「経営の原理原則を実践する経営者を増やしてハッピーな世の中を創る」ことを使命とする。 また、「借り入れ時に個人保証を求められる中小企業経営者にとっては会社の財産も個人の財産も一体」との現実、「事業承継にまつわる諸問題」などとも向き合いながら、クライアントの財産承継コンサルティングに取り組む。 「経営と財産は両輪」との信念のもと、クライアントの身近な参謀役（アドバイザー）として日々活動している。 家族は妻と息子と猫（キジトラ雄）。中野（自宅）⇄西荻窪（事務所）を行ったり来たり。

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