価格設定のポイント③ 既存の商品・サービスから、簡単に、新商品・サービスを作る方法
こんにちは、鉾立です。
売上 = 客数 × 客単価
ですから、売上を上げるためには、「客数」、または「客単価」、もしくはその両方の数字を大きくする必要があります。
そして、スモールビジネスにおいては、「客数」を増やすより、お客さんに適切な価値情報を伝えることで「客単価」を上げる(=適正価格にする)方が先決であるということを、前回の記事では理由を含めてお伝えしました。
価格設定のポイント② 世間的に相場価格が決まっている場合は?
もっとも、既存の商品・サービスを値上するのはどうしても難しい、という場合もあると思います。
新商品・サービスを作って、初めから適正な価格を設定できればいいのですが、一から新商品・サービスを作るのは、経営資源が限られたスモールビジネスにおいては簡単なことではないと思います。
そこで今回は、既存の商品・サービスから、簡単に、新商品・サービスを作る方法をお伝えしようと思います。
既存の商品・サービスから、簡単に、新商品・サービスを作る方法
ポイントとなるのは、次の6つの切り口です。
1 スペック
2 サービス
3 時間
4 数量
5 上位版
6 総合化
順を追って解説しますね。
切り口1 スペック
スペックとは、商品・サービスの規格・仕様のことです。
まず、既存の商品・サービスの基本となる規格・仕様を明確にします。
その上で、お客さんが基本となる規格・仕様を超える商品・サービスを求めた場合に対応できるように、特別仕様の商品・サービスを作っておきます。
例えば、コンサルティングやコーチングが商品の場合、
・基本仕様 ⇒ 来社面談1時間当たり10000円
・特別仕様 ⇒ 訪問面談1時間当たり15000円+日当
などが考えられます。
切り口2 サービス
ここで言うサービスとは、本来、有料にしてもいいような、お客さんにとって価値のある無料サービスのことです。
無料で行っているサービスが、集客などプロモーションの一環として機能していればいいのですが、そうではない場合に、有料の新サービスにできないか検討します。
例えば、眼鏡チェーン店のメガネスーパーは、「眼鏡専門店としての認知度が高く、昔から付き合いがある顧客がいること」という自社の強みに着目し、それまで無料で実施していた視力検査を、2015年から有料化しています。(「どん底から復活したメガネスーパーは、なぜ「安売り」と決別できたのか」)
切り口3 時間
商品・サービスの標準的な提供時間を決めて、お客さんが標準外の提供時間を求めた場合に価格に反映させる仕組みを作ります。
例えば、インターネットによる印刷・広告のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」では、印刷部数に加えて、
・本日出荷
・受付日から1営業日出荷
・受付日から2営業日出荷
・
・
と出荷日の日数に応じて印刷料金が変わります。
同じような発想で、自社の商品・サービスの提供時間に着目して、新商品・サービスができるか(「特急サービスプラン」など)を検討します。
時は金なりです。
切り口4 数量
商品の標準的な販売数量より、少ない数量をお客さんが求める場合、割増料金にすることを検討します。
例えば、20個でワンセットの商品を、お客さんが4つだけ欲しいといったような場合、単純に20個÷4個で販売価格を決めるのではなく、オペレーションの手間や在庫リスク等を勘案して適正な価格を設定することを検討します。
切り口5 上位版
既存の商品サービスよりも価格が高い上位版を作り、いわゆる「松・竹・梅」の商品・サービスのラインナップを作ります。
このとき、既存の商品・サービスを一番下の「梅」にするか、真ん中の「竹」にするかについては、提供できる価値をベースに検討します。
切り口6 総合化
個別の商品・サービスをパッケージ化することで、既存の商品・サービスとは異なる新しい価値を提供できるか検討します。
例えば、自社がお客さんにとっての窓口や元請け的なポジションを取ることができれば、取引先へのアウトソーシングを活用して、お客さんにとって便利な総合サービスを提供することができます。
いかがでしょうか?
この切り口をヒントに、ぜひ、適正価格の新商品・サービスを作ってみてください。
それと、新商品・サービスを導入する際は、前回の記事でお伝えした価値情報の言語化とプレゼンも忘れずに!
追伸
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鉾立 栄一朗
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